白内障を放置するとどうなる?

白内障は加齢とともに誰にでも起こる病気ですが、「まだ見えるから」と放置していませんか?
本記事では、白内障を放置することで起こる失明のリスクや、手術の難易度上昇、さらには意外な健康被害について詳しく解説します。
この記事でわかること
- 白内障を放置すると失明するのか
- 白内障を放置することで起こる目や体へのリスク
- 手術を受けるタイミングと早めに受診すべき理由

上村 文
Aya Uemura
大学病院レベルの最新設備を備え、地域の皆様に安心して受診いただける“かかりつけ眼科”を目指しております。一般的な眼科診療から高度な治療まで幅広く対応し、患者様に寄り添った医療を大切にしています。 また、学校医として、地域の子どもたちの目の健康にも力を入れております。
そもそも白内障ってどんな病気?

白内障は、目の中でカメラのレンズのような役割を果たす「水晶体」が濁ってしまう病気です。
主な原因は加齢によるもので、個人差はありますが、早い人では40代から始まり、80代ではほぼ全員に何らかの白内障症状が見られます。
水晶体が濁ると、光がうまく網膜に届かなくなるため、「視界がかすむ」「光を眩しく感じる」「視力が低下する」といった症状が現れます。
白内障を放置することで起こる3つの問題

白内障はゆっくりと進行するため、ついつい受診を先延ばしにしがちです。
しかし、放置して末期症状になると、単に見えにくいだけでなく、目全体に深刻な悪影響を及ぼします。
代表的な問題として、失明に直結する合併症、手術そのもののリスク増加、そして全身の健康への影響という3つの大きなリスクが挙げられます。これらは、適切な時期に治療を行えば避けられる問題です。
失明の引き金「急性緑内障発作」の併発
白内障を放置し、厚みを増した水晶体が目の中の水の流れ(房水)をせき止めてしまうと、「急性緑内障発作」を引き起こすことがあります。
急激に眼圧が上昇することで、激しい目の痛み、頭痛、吐き気などの症状が現れ、最悪の場合、数日で失明に至る恐ろしい状態です。
放置された重度の白内障は、単なる視力低下だけでなく、こうした急性疾患の引き金になるのです。
手術の難易度が上がる
白内障が進行すると、水晶体が石のように硬くなったり、水晶体を支える「チン氏帯」という組織が弱くなって不安定な状態に陥ります。
こうなると、通常の手術よりも時間がかかり、超音波の負荷が増えるため、角膜へのダメージや合併症のリスクが格段に上がります。また、目の中で炎症が起きる「ぶどう膜炎」などを併発することもあり、安全な手術が難しくなります。
認知症になりやすくなる
近年の研究では、白内障による視力低下と認知機能の低下には深い相関があることが分かっています。
目からの情報が遮断されると、脳への刺激が極端に減り、意欲の低下や社会的孤立を招きやすいためです。
実際に、白内障手術を受けて視力が回復したことで、認知症の進行が抑制されたり、意欲的に活動できるようになったりする事例が多く報告されています。
白内障で失明すると言われるのはなぜ?

世界保健機関(WHO)の統計によると、世界における失明原因の第1位は約半数を占める「白内障」です。
日本では医療体制が整っているため「白内障=すぐに失明」というわけではありませんが、適切な治療を受けずに放置され続ければ、最終的には光を失う病気であることに変わりはありません。
「治せる病気」であるにもかかわらず、放置によって手遅れになるケースがあるため、注意喚起がなされています。
日本の白内障における失明率
日本において、白内障は失明原因の第4位前後(約7%)となっています。
先進国である日本では手術による視力回復が可能であるため、適切に受診していれば失明を回避できることがほとんどです。
しかし、高齢者が通院を拒んだり、他の病気と勘違いして発見が遅れたりすることで、前述した「緑内障の併発」などを招き、結果として失明に至ってしまう不幸なケースが今も存在します。
なぜ多くの人が白内障を放置してしまうのか?

白内障を放置する理由として多いのが、「目薬で治る」という誤解です。
また、「手術が怖い」「目にはさみを入れるなんて想像できない」という恐怖心や、「もう歳だから見えなくても仕方ない」という諦めも受診を遠ざける要因となっています。
しかし、白内障は自然に治ることはなく、放置するほど心理的なハードルや身体的なリスクが大きくなっていくのが実情です。
白内障の治療方法

現在、白内障を根本的に治す方法は「手術」しかありません。
点眼薬はあくまで進行をわずかに遅らせるためのものであり、濁った水晶体を透明に戻す効果はありません。
手術では、濁った水晶体を取り除き、代わりに人工の「眼内レンズ」を挿入します。
医療技術の進歩により、手術は短時間で済み、痛みもほとんどなく、劇的な視力回復が期待できるようになっています。
白内障手術を受けるタイミングは?
手術のタイミングは「本人が日常生活で不自由を感じた時」が一般的です。
「免許の更新が不安」「文字が読みにくい」「夜間の運転が眩しい」などの自覚症状があれば、検討時期と言えるでしょう。
ただし、水晶体の硬化が進みすぎるとリスクが高まるため、医師から「そろそろ」と勧められた場合は、あまり先延ばしにせず、安全に手術を受けられる時期に決断することが重要です。
当院は日帰り白内障手術に対応しています

当院では、患者様の負担を最小限に抑えるため、最新の医療機器を用いた「日帰り白内障手術」を行っております。
局所麻酔により手術中の痛みはほとんどなく、10〜15分程度で終了します。お仕事や家事で忙しい方、住み慣れた自宅でリラックスして過ごしたい方に選ばれています。
術後のアフターケアも丁寧に行いますので、手術に不安がある方もまずはお気軽にご相談ください。
最先端の機器と経験豊富な眼科専門医による白内障手術をご提供しています。豊富な眼内レンズの中から患者様に適した選択肢をご提案し、徹底した感染対策と術後までの丁寧なサポート体制で、安心して手術を受けていただける環境を整えています。
白内障の予防方法

白内障を完全に防ぐことは難しいですが、進行を遅らせることは可能です。
生活習慣を見直すことで、目の健康を長く保つことができます。
紫外線を避ける
紫外線は水晶体のタンパク質を変性させ、濁りを進める大きな要因です。
外出時はUVカット機能付きのサングラスや帽子、日傘を活用し、直接強い光が目に入らないように保護しましょう。
バランスのいい食生活を心がける
酸化ストレスを抑える「抗酸化作用」のある食品が効果的です。
ビタミンC、Eを多く含む野菜や果物、また目の老化を防ぐルテインを含むほうれん草やブロッコリーを積極的に摂取しましょう。
適度に運動する
ウォーキングなどの適度な運動は、全身の血流を改善し、代謝を促します。
糖尿病などの生活習慣病は白内障を進行させる原因となるため、運動を通じて健康状態を管理することが目の保護にもつながります。
まとめ
白内障は放置すると、失明リスクのある緑内障を招いたり、手術が困難になったりと、多くのデメリットが生じます。
少しでも「見えにくい」と感じたら、手遅れになる前に眼科を受診しましょう。
早めの適切な処置が、あなたのQOL(生活の質)と大切な視界を守ることにつながります。
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この記事の監修者
足立慶友眼科 院長
上村 文
Aya Uemura大学病院レベルの最新設備を備え、地域の皆様に安心して受診いただける“かかりつけ眼科”を目指しております。一般的な眼科診療から高度な治療まで幅広く対応し、患者様に寄り添った医療を大切にしています。 また、学校医として、地域の子どもたちの目の健康にも力を入れております。
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