ステロイドが白内障の原因?ステロイドの副作用について

ステロイドは炎症を抑える重要な薬ですが、副作用が気になる人は多いでしょう。
目薬、内服、吸入などさまざまな形で使われるため、「白内障との関係があるのか」と不安になりやすいものです。
この記事では、ステロイドと白内障の関係、なりやすいケース、症状、注意点、受診の目安をわかりやすく解説します。
この記事でわかること
- ステロイドが白内障のリスクとなるか
- ステロイド白内障の初期症状
- ステロイドの副作用・注意点について

上村 文
Aya Uemura
大学病院レベルの最新設備を備え、地域の皆様に安心して受診いただける“かかりつけ眼科”を目指しております。一般的な眼科診療から高度な治療まで幅広く対応し、患者様に寄り添った医療を大切にしています。 また、学校医として、地域の子どもたちの目の健康にも力を入れております。
ステロイドは白内障のリスク要因の一つ

ステロイド(副腎皮質ホルモン)は炎症を鎮める強力な薬ですが、長期間の使用や大量投与によって、副作用として白内障(ステロイド白内障)を引き起こすことが知られています。
これは、ステロイドが水晶体の代謝に影響を及ぼし、タンパク質を濁らせてしまうことが原因と考えられています。
ステロイド白内障の特徴

ステロイド白内障の特徴として言われているのは、かなり初期から見えづらい、視力低下のスピードが早いということです。
一般的な加齢性白内障が数年かけてゆっくり進行するのに対し、数ヶ月で急激に視界が悪化することもあるため、早めの異変察知が重要です。
加齢性白内障より若い世代でも起こりうる
加齢性白内障は主に高齢者に起こりますが、ステロイド白内障は薬の使用が原因であるため、20代〜40代といった若い世代でも発症するリスクがあります。
「自分はまだ若いから白内障ではない」と過信せず、薬を使用している期間は慎重に目の状態を確認しましょう。
ステロイド白内障の初期症状

ステロイド白内障は、水晶体の後ろ側が濁る「後嚢下(こうのうか)白内障」になるケースが多く、以下のような初期症状が特徴です。
- 視界がかすむ
- 光が異常にまぶしく感じる
- 文字が読みにくい
- 眼鏡を替えても見えにくい
- 若いのに見え方の異変がある
これらに心当たりがある場合は、早急な検査が必要です。
どんなステロイドで白内障リスクがある?

白内障のリスクは、ステロイドの種類、使用量、使用期間に比例します。
特に内服薬や点眼薬でのリスクが高いとされていますが、重要なのは「必要な治療を自己判断でやめないこと」です。
副作用のリスクを正しく理解し、医師の管理下で適切に使い続けることが大切です。
ステロイドの種類と主な用途
ステロイド外用薬は、炎症に対する効力によって五つのグループに分類されます。
正しい薬を選ぶことが治療の効果を左右します。
- ストロンゲスト(最強): デルモベートなど。深刻な皮膚炎症に使用。
- ベリーストロング(非常に強力): アンテベートなど。強い湿疹等に。
- ストロング(強力): リンデロンVなど。一般的な皮膚疾患に。
- ミディアム(中庸): ロコイドなど。顔や子供の皮膚に使用。
- ウィーク(弱い): プレドニゾロンなど。作用が穏やか。
点眼だけでなく、吸入ステロイドや外用薬でも注意が必要な場合も
目に直接入れる点眼薬だけでなく、喘息治療の吸入薬やアトピー性皮膚炎での広範囲な外用薬、膠原病などの内服薬でも、長期間の使用により成分が血液を介して目に影響し、白内障を引き起こす可能性があります。
部位に関わらず、長期使用者の方は眼科検診が推奨されます。
ステロイドは危険?注意点を解説

炎症を強く抑えてくれるステロイドは、アトピー性皮膚炎やアレルギー疾患、膠原病などの治療には必要不可欠な薬です。
ステロイドを使用したすべての方に副作用として白内障が発症するわけではありません。
しかし、リスクが全くないわけではなく、特に水晶体を包んでいる袋の後ろ側が濁る「後嚢下白内障(こうのうか はくないしょう)」を発症する方が多いと言われています。
必ず眼科で経過観察を受けることが重要
いわゆる「ステロイド白内障」は加齢性白内障と似た状態になることもあり、その鑑別は簡単ではありません。
患者様のお話をよくうかがい、ステロイドの期間や量を含め総合的に判断する必要があります。
そのため、使用中の方は自覚症状がなくても定期的に眼科で経過観察を受けることが非常に重要です。
こんな人は早めに眼科受診を
以下に該当する方は、早めに眼科を受診してください。
- 最近見えにくくなった・まぶしさが強くなった
- 眼圧が高いと言われたことがある
- 点眼薬を自己判断で継続している
- 長期間ステロイドを使っている(内服・外用問わず)
- 目の病気でステロイド点眼を繰り返している
- アトピー性皮膚炎や膠原病などで治療中の方
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ステロイドをやめれば白内障は治る?

いったんできた白内障の濁りは、残念ながら薬の使用を中止しても自然には元に戻りにくいのが現状です。
「中止すれば改善する」と誤解して、元の病気の治療を自己判断で中断しないよう注意してください。
進行して日常生活に支障が出る場合は、手術による治療を検討することになります。
ステロイドは眼圧上昇にも注意が必要
ステロイド点眼では白内障だけでなく眼圧上昇も大きな注意点です。
眼圧が上がると視神経がダメージを受け、視野が欠ける「ステロイド緑内障」を招く恐れがあります。
白内障のチェックと同時に、必ず眼圧測定も行い、目の健康をトータルで守ることが不可欠です。
当院のステロイド白内障を見極める診断方法

当院では、以下のステップで精密な診断を行っています。
- 詳細な医歴の確認
ステロイドの使用歴、使用量、期間を詳しく聞き取り、リスクを明確にします。 - 視力検査
視力の変化を測定し、白内障が見え方にどの程度影響しているかを評価します。 - スリットランプ検査
特殊な顕微鏡を使用し、水晶体後嚢部の濁りなど、ステロイド特有の変化を詳細に観察します。 - 眼圧検査
ステロイドによる眼圧上昇がないかを確認し、緑内障のリスクも含めて管理します。
適切な診断に基づき、一人ひとりに最適な治療・管理プランをご提案します。
まとめ
ステロイドは多くの病気において非常に有用な薬ですが、白内障や眼圧上昇といった副作用のリスクを知っておくことは、大切な目を守る第一歩です。
「最近、視界がかすむ気がする」「光がまぶしくて文字が読みにくい」といった違和感がある方や、長期間ステロイドを使用されている方は、ぜひ一度当院へご相談ください。
専門医が丁寧に診察し、皆様の不安を解消するお手伝いをいたします。早めの受診で、クリアな視界を維持しましょう。
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この記事の監修者
足立慶友眼科 院長
上村 文
Aya Uemura大学病院レベルの最新設備を備え、地域の皆様に安心して受診いただける“かかりつけ眼科”を目指しております。一般的な眼科診療から高度な治療まで幅広く対応し、患者様に寄り添った医療を大切にしています。 また、学校医として、地域の子どもたちの目の健康にも力を入れております。
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