白内障の種類を徹底解説|原因・濁り方・進行の違いと受診タイミング

「最近、視界がかすむけれど白内障?」とお悩みではありませんか?
白内障は加齢によるものだけではありません。原因や水晶体が濁る部位、進行スピードが異なるいくつかの「種類」が存在します。若年層でも発症するリスクがあり、種類によっては急激に進行するため、自分のタイプを知ることは適切な治療時期を逃さないために重要です。
本記事では、白内障の主な種類やその原因、濁り方の違い、受診すべきサインについてわかりやすく解説します。
この記事でわかること
- 白内障の種類と、タイプごとの原因・症状の違い
- 進行の速さが異なる理由と、受診すべきタイミング
- 自分や家族の症状がどのタイプに当てはまるか

上村 文
Aya Uemura
大学病院レベルの最新設備を備え、地域の皆様に安心して受診いただける“かかりつけ眼科”を目指しております。一般的な眼科診療から高度な治療まで幅広く対応し、患者様に寄り添った医療を大切にしています。 また、学校医として、地域の子どもたちの目の健康にも力を入れております。
白内障とは?水晶体が濁ることで起こる目の病気

白内障とは、目の中でカメラのレンズの役割を果たす「水晶体(すいしょうたい)」が濁る病気です。
健康な水晶体は透明ですが、構成成分であるたんぱく質が変性して濁ると、光が網膜まで届かなくなります。その結果、「かすみ」「まぶしさ」「ものが二重に見える」といった症状が現れます。
日本では、50代で約37〜54%、80代以上ではほぼ100%に初期の濁りを含めた症状が見られる、身近な病気です。
白内障の種類は大きく2つ|先天性と後天性

白内障は、発症時期や原因によって大きく2つに分類されます。
「先天性白内障」は生まれつき、または乳幼児期に発症するものです。遺伝や母体の胎内感染などが原因で、非常にまれですが、視力の発達を妨げるため早期発見と治療が必須です。
一方、私たちが普段耳にする白内障のほとんど(90%以上)は、生後に何らかの原因で発症する「後天性白内障」です。加齢、全身疾患、生活習慣、目のケガなど、原因によってさらに細かく分類されます。
原因別に見る白内障の種類

まずは、代表的な後天性白内障を一覧表で確認してみましょう。
後天性白内障の種類一覧
| タイプ名 | 主な原因 | なりやすい年齢 | 進行の速さ |
|---|---|---|---|
| 老人性(加齢性) | 加齢(酸化ストレスなど) | 50代以降 | 緩やか |
| 若年性 | 紫外線、強度近視、生活習慣 | 20代〜40代 | 比較的緩やか〜やや速い |
| 糖尿病性 | 高血糖による代謝異常 | 20代〜50代 | 速い |
| アトピー性 | 目を掻く・叩く刺激 | 10代〜30代 | 非常に速い |
| 続発(併発) | ぶどう膜炎、網膜剥離、緑内障など | 全年代 | やや速い |
| 外傷性 | 目への衝撃、ケガ | 全年代 | 速い(数年後に発症することも) |
| 薬剤性 | ステロイド薬の長期使用 | 全年代 | やや速い |
それぞれの特徴を詳しく解説します。
老人性(加齢性)白内障|最も多いタイプ
- 原因・特徴:白内障全体の約90%を占める主要タイプです。長年の紫外線や酸化ストレスが蓄積し、加齢に伴う老化現象として水晶体が濁ります。
- 代表的な症状:初期はほぼ自覚症状がありません。進行すると、かすみや、車のヘッドライトなどの強いまぶしさを感じるようになります。
- 進行の傾向:進行スピードは非常に緩やかで、何年もかけて少しずつ症状が進行します。
- 受診・注意ポイント:不便を感じた段階で眼科医に相談し、適切な手術時期を見極めることが大切です。
若年性白内障|20〜30代にも起こりうる
- 原因・特徴:紫外線、強いストレス、喫煙、過度の飲酒、強度近視、アトピーなど複数の要因が絡み合い、20〜40代で発症します。
- 代表的な症状:目がかすむ、夜間の光がまぶしいなどですが、「若いから大丈夫」と疲れ目で見過ごされがちです。
- 進行の傾向:加齢性と比べて進行がやや早い場合があり、気づいた時には日常生活に影響が出ていることもあります。
- 受診・注意ポイント:若い世代でも見えづらさを感じたら、放置せず早めに受診しましょう。
糖尿病性白内障|血糖コントロールが進行に影響
- 原因・特徴:高血糖により水晶体内に糖アルコール(ソルビトール)が蓄積し、水分を引き込んで濁るタイプです。血糖値の高さと罹患期間の長さがリスクを上げます。
- 代表的な症状:かすみや、血糖値の急激な変動に伴う一時的な見え方の変化が特徴です。
- 進行の傾向:加齢性に比べて進行スピードが非常に速く、数ヶ月から1年で一気に進行することがあります。
- 受診・注意ポイント:徹底した血糖コントロールが予防に不可欠です。糖尿病と診断されたら定期的に眼科を受診してください。
アトピー性白内障|若年層にも発症リスク
- 原因・特徴:アトピー性皮膚炎に合併し、10〜30代に多く見られます。目のかゆみから強く掻いたり叩いたりする刺激(慢性的な外傷)が主な原因です。
- 代表的な症状:急激な視力低下や、強いまぶしさを訴えることが多いです。
- 進行の傾向:進行が極めて速く、数週間から数ヶ月で視力が著しく低下することもあります。
- 受診・注意ポイント:見えづらさを感じたら即座に受診してください。組織が弱くなっている場合もあるため、手術実績の豊富な専門クリニックへの相談が賢明です。
続発白内障(併発白内障)|他の目の病気が原因
- 原因・特徴:ぶどう膜炎、網膜剥離、重度の緑内障など、他の目の病気に続いて発症するタイプです。
- 代表的な症状:元の病気による症状に加え、白内障の濁りによるかすみやぼやけが重なり、見えにくさが深刻化します。
- 進行の傾向:元疾患の炎症度合いに依存しますが、比較的早い段階で手術が必要になるケースが多いです。
- 受診・注意ポイント:元の病気がある方は、医師の指示通り定期通院を継続することが重要です。
外傷性白内障|目への衝撃・けがが原因
- 原因・特徴:スポーツのボールの衝突、仕事中の事故、転倒など、目への衝撃やケガによって水晶体が傷ついて発症します。
- 代表的な症状:急激な視力低下や、視野の一部が極端に見えにくくなります。
- 進行の傾向:直後から急速に進行する場合と、ケガから数年後にじわじわと発症・進行するケースがあります。
- 受診・注意ポイント:目に強い衝撃を受けた時は、その場で見え方に問題がなくても、必ず眼科で検査を受けましょう。
薬剤性白内障(ステロイド性)|薬の副作用による発症
- 原因・特徴:アトピーや自己免疫疾患などの治療で、ステロイド薬(内服・点眼)を長期使用することが原因です。
- 代表的な症状:水晶体の後ろ側(後嚢下)から濁りやすく、初期から強いまぶしさや急激な視力低下が起こりやすいです。
- 進行の傾向:進行がやや速く、使用を続ける中で急激に見え方が悪化することがあります。
- 受診・注意ポイント:自己判断での休薬は元の病気を悪化させるため危険です。必ず医師と相談しながら、定期的に目をチェックしましょう。
ステロイドは炎症を抑える重要な薬ですが、副作用が気になる人は多いでしょう。 目薬、内服、吸入などさまざまな形で使われるため、「白内障との関係があるのか」と不安になりやすいものです。 この記事では、ステロイドと白内障の関係、なりやすいケース、症状、注意点、受診の目安をわかりやすく解説します。
濁り方(部位)から見る白内障の種類

白内障は、水晶体の「どの部分から濁るか」によっても分類され、それによって症状や進行スピードが変わります。
水晶体の濁る部位による分類一覧
| タイプ名 | 濁る部位 | 代表的な症状 | 関連する原因 |
|---|---|---|---|
| 皮質白内障 | 水晶体の外側(皮質) | 初期は自覚しにくい、進行すると眩しさ・かすみ | 加齢性など |
| 核白内障 | 水晶体の中心部(核) | 一時的に近くが見える(近視化)、色の判別低下 | 加齢性など |
| 後嚢下白内障 | 水晶体の後ろ側の膜の内側 | 初期から急激な視力低下、強い眩しさ | 糖尿病、ステロイドなど |
皮質白内障|外側から濁る・最も多いタイプ
加齢性白内障の多くがこの濁り方をたどります。最初は水晶体の周辺部(皮質)からクサビ状に白く濁るため、初期は中央部が透明で自覚症状がほとんどありません。濁りが中心部へ広がるにつれ、かすみや、対向車のヘッドライトが非常にまぶしく感じるなどの症状が現れます。進行は比較的緩やかです。
核白内障|中心部から濁る・老眼が治った錯覚に注意
水晶体の中心部(核)が濁り、黄色〜褐色に硬化するタイプです。進行に伴って屈折率が変わり、一時的に近くのものがよく見えるようになるため「老眼が治った」と錯覚して受診が遅れるケースがあります。進行すると、全体が黄色くくすんで見え、遠くがぼやけるようになります。進行すると水晶体が硬くなり、手術の難易度が上がります。
後嚢下白内障|進行が速く早期受診が特に重要
水晶体の裏側を覆う薄い膜(後嚢)の内側が濁るタイプです。網膜に近い中心部が濁るため、初期から急激な視力低下や強いまぶしさが現れます。進行が極めて速く、早期受診が欠かせません。なお、類似する濁り方としてアトピー性白内障に関連しやすい「前嚢下(ぜんのうか)白内障」もあります。
進行ステージで見る白内障|初期・中期・成熟・過熟
白内障は、進行の度合いによって4つのステージに分類されます。
水晶体の端にわずかな濁りが出た状態で、自覚症状はありません。点眼薬を用いて進行を遅らせる経過観察が中心です。
濁りが中心部まで広がり、かすみや眩しさが現れます。日常生活に不便を感じ始めたら、手術を検討する最適なタイミングです。
水晶体全体が完全に濁り、視力が極端に低下します。放置すると手術の難易度や合併症リスクが上昇するため、早急な対応が必要です。
さらに放置し、濁った成分が溶け出した危険な状態です。緑内障など重篤な合併症を引き起こし、失明の恐れもあります。ここまで進行する前に治療を受けましょう。
こんな症状があったら受診のサイン
以下の症状に心当たりがある方は、早めに眼科を受診しましょう。
- 視界全体が白く霧がかったようにかすむ
- 太陽光や対向車のヘッドライトが異常にまぶしい
- ものが二重、三重にブレて見える
- 眼鏡の度数が急に合わなくなった
- 暗い場所や夜間の運転が見えづらく怖い
- 老眼鏡をかけても手元の細かい文字が読めない
特に片目だけ急激に見えづらくなった場合は、進行の速いタイプや他の重大な眼疾患の可能性があります。自己判断で様子を見ず、速やかに眼科医を受診してください。
当院の白内障手術について
当院では、患者様一人ひとりの白内障の種類やライフスタイルに合わせ、日帰り白内障手術(※術前・術後の通院が必要です)などの最適な治療法をご提案しております。見え方に少しでも違和感を覚えたら、まずはお気軽にご相談ください。
最先端の機器と経験豊富な眼科専門医による白内障手術をご提供しています。豊富な眼内レンズの中から患者様に適した選択肢をご提案し、徹底した感染対策と術後までの丁寧なサポート体制で、安心して手術を受けていただける環境を整えています。
まとめ|白内障の診断・治療は専門眼科へ
白内障には加齢、糖尿病、アトピー、外傷といった多様な原因があり、濁る部位によっても症状や進行スピードが異なります。
「若いから」「少し近くが見えるようになったから」と自己判断せず、適切なタイミングで検査を受けることが視力を守るカギです。
不自由を感じたら、専門の眼科クリニックを一度受診しましょう。
よくある質問
Q1. 白内障は一度発症したら、目薬だけで治すことはできますか?
A. 濁ってしまった水晶体を薬でもとに戻すことはできません。点眼治療はあくまで「初期の加齢性白内障の進行を遅らせる」ためのものです。視力が低下し、日常生活に支障をきたした場合は、濁った水晶体を人工の眼内レンズに置き換える「白内障手術」が唯一の根本的な治療法となります。
Q2. 若くして発症する白内障と、お年寄りの白内障で治療法に違いはありますか?
A. 根本的な治療はどちらも手術ですが、若年層(アトピーや糖尿病、外傷など)は進行が速く、目を支える組織が弱くなっているなど難症例となるリスクが高いため、慎重な検査が必要です。また、術後のピント調節力の変化に合わせ、挿入する眼内レンズの選択肢を医師と十分に相談することが大切です。
Q3. 白内障を予防するために、日常生活でできることはありますか?
A. 水晶体にダメージを与える「紫外線」を防ぐことが最も有効です。外出時はUVカットのサングラスや帽子の着用を心がけましょう。また、抗酸化作用のあるバランスの良い食事や禁煙も効果的です。糖尿病やアトピーなどの持病がある方は、全身疾患の適切なコントロールが重要となります。
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この記事の監修者
足立慶友眼科 院長
上村 文
Aya Uemura大学病院レベルの最新設備を備え、地域の皆様に安心して受診いただける“かかりつけ眼科”を目指しております。一般的な眼科診療から高度な治療まで幅広く対応し、患者様に寄り添った医療を大切にしています。 また、学校医として、地域の子どもたちの目の健康にも力を入れております。
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